イライラして眠れない、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の本書では、心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。
仕事に追われて気が休まらない…
ある男性は起業してしばらく経つと、仕事のオンオフがなくなってしまい、常に仕事をしている状態でした。
自宅で仕事をしているので「何時まで仕事」という制限がなくて、ついつい寝るのが遅くなってしまいます。
布団に入ってもなかなか寝つけないので、お酒を飲んで眠るようにします。
お酒を飲むとたしかに入眠できるのですが、寝ている途中で目が覚めると、「あれ? あの仕事をやったかな?」と気になって、起きてチェックせずにはいられなくなってしまい、そこからなかなか眠れなくなって朝を迎えます。
そんなことをくり返していると、同じ量を飲んでも、頭の中がせわしなくて眠れず、飲酒量が増えていきました。
そして、眠っても眠りが浅いのか、途中で仕事のことを思い出して起きてしまって、一度起きると眠れなくなりました。
日中はボーッとして仕事に集中できない状態で、ミスをして取引先に迷惑をかけてしまうこともあり、自信を失ってしまったのです。
そこで、カウンセラーに教えてもらった「愛に満たされて眠る方法」を使ってみることにしました。
唱えるうちに、気づいたら朝
布団に入ったら、今日、口にした食べものを朝から順番に思い出す。ひとつずつ思い浮かべたら、「愛されている」と頭の中で唱えていく。
カウンセラーによると、この「愛に満たされて眠る方法」は、「愛されている」というコマンドによって記憶を定着させ、記憶力を向上させてくれるとのこと。
寝る前にあれこれ考えてしまう人は、「抜けている記憶」を探してグルグル思考が止まらなくなるそうで、記憶力をアップさせることで、この不安感から抜け出せるらしい。
布団に入ってやってみようとすると、「やっぱりお酒を飲まなければ眠れないんじゃないのかな?」と不安になりますが、とにかく朝から口にしたものを思い出してみることにしました。
朝食に食べたトーストを思い出して、「あ! バターを塗ったんだ」と頭に浮かべながら「愛されている」と唱えてみると、「こんなアホなことで記憶力が上がるのかな?」と馬鹿馬鹿しくなってきます。
「トースト以外に何を食べたっけ?」と考えながら、「トマトだ!」と頭に浮かべて「愛されている」と唱えてみます。
そんなことをくり返しているうちにいつの間にか夢の中に入っていて、気がついたら朝になっていました。
「仕事中心」の生活から「やりたいこと中心」の毎日へ
お酒を飲まずに眠れたのがうれしくて、寝るときに何を食べたか思い出しやすいように、いつもとはちがう朝ご飯を食べてみることにしました。
そして、布団に入ってみて朝食に食べた卵焼きを思い出して「愛されている」と唱えたものの、昨日のように眠れません。
「真面目に食べたものを覚えておこうと意識しすぎたから眠れないのかな?」と不安になったものの、夕食まで思い出してから、「もう一度朝食からやってみるか」と、思い出し始めると、いつの間にか眠っています。
「なんでこれで眠れるの?」と眠れるしくみに興味がわいてきます。
「愛されている」というコマンドが眠りに影響しているのかもしれない。
そんなことを考えながら、「まあ、眠れるからいいか!」とくり返していくと、仕事の効率がどんどん上がってきます。
余裕が出てくると、「お酒を飲んで寝ていたから、記憶力が落ちて効率が悪かったんだ!」と気がつき
ます。記憶力が元に戻ると、「仕事ってこんなに余裕を持ってできるんだ」と実感したのです。
それまで仕事のために生きているような感じだったのに、片手間でも仕事がうまく回るようになり、自分のやりたいことを中心にした生き方に変わります。
仕事に追いつめられて、生きるだけでも精一杯だったのに、楽しみながら仕事ができる。心地よい眠りとともに、起業した当時の自信を取り戻すことができたのです。
(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)