米国の消費者物価指数(CPI)は、8月に上昇に転じた。このインフレ率の加速は消費者にとって悪いニュースだが、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策現状維持の姿勢を変えさせるほどの衝撃には、恐らくならないだろう。8月のCPIは、前月比で0.6%急上昇した。燃料価格の急騰がその主要因だ。前年同月比のCPI上昇率は3.7%で、2022年夏のピーク時からは大幅に鈍化している。しかし、ガソリン価格は前月比10.6%も上昇しており、読者がこうした高騰を認識していることは間違いない。エネルギー分野を除いたサービス価格の上昇率も、高水準を維持しており、前月比で0.4%、前年同月比で5.9%となった。