数年後、日本でも大量失業が問題に
「団塊ジュニア世代」が50歳代後半に
ChatGPTなどの生成AIがもたらす深刻な大問題は大量失業だ。われわれがこれまで経験したことのないような規模で、人間の職がAIに奪われる可能性がある。しかも知的能力の高い人が失業するなど、これまでになかったタイプの失業が生じる可能性がある。
アメリカでは、生成AIによる失業がすでに顕在化していることから、生成AIは、「職を奪う悪魔」と捉えられる場合が多い。
ところが、日本では、生成系AIによる失業に対する不安はそれほど強くない。これは、一つには、正規社員は会社に守られているからだろう。
しかし、失業の問題は、正規社員も含めていずれ日本でも現実のものになってくるだろう。なぜかと言えば、正規社員であってもいつまでも同じ処遇でいられるわけではないからだ。役職にあった人も50歳代の後半で役職定年となり、給与が大幅に減少する。さらには退職勧奨のような形で職場を離れることを余儀なくされる人もいるだろう。
日本の場合には、さらに大きな問題は、「団塊ジュニア世代」があと数年で50歳代後半になることだ。
デジタル時代への対応で岸田文雄政権はリスキリング支援を掲げているが、現状ではリスキリングは生成AIによる失業問題には役に立たない可能性がある。