大量のタスクを抱え、日々、時間に追われる現代人。「忙しくてできない」が口癖になっている人の問題点を、時間の神「黒野」と黒野の生徒「青井春香」が会話形式で教えます。本稿は、星渉『神時間力 時間を使いこなせば人生は思い通り』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。
いつも「時間がない」人の
誤った時間の使い方とは?
いつも通りノックもせずに春香が研究室に入ると、クラッカーが鳴った。
黒野「青井さん、おめでとうございます!」
なぜか、お祝いムードの黒野がそこにはいた。
春香「何ですか、そのクラッカー?わたし誕生日でも何でもないですよ?」
黒野「もちろんわかってます。でも、今日という日を忘れないように、派手にお祝いをしましょう。人間の脳は感情がともなった出来事は記憶に残りやすい傾向がありますからね」
黒野はクラッカーをもう一発鳴らして、春香の首にハワイの花の首飾り、レイをかけた。
春香「何のお祝いなんですか?」
クラッカーの色とりどりのテープをまとったまま、春香はいつもの椅子に座った。
黒野「青井さんの時間貯金記念日です」
春香「わたしの時間貯金記念日?」
黒野「そうです。で、青井さんはなぜ今日ここに来たのですか?」
春香「そりゃあ、先生と会う約束をしていたからじゃないですか」
黒野「ええ。では、その約束はいつしましたか?」
春香「先週です」
黒野「そうですね。先週、今日ここに来る時間を青井さんは前もって確保した。そして実際に来ました。今日、時間貯金を使うことができたから、青井さんの時間貯金記念日ということです」