アレルギーやストレスとの関連は?
間違われやすい・見分けにくい疾患も
尋常性白斑と間違われやすい、皮膚の色が白く抜ける病気には「アルビノ」(眼皮膚白皮症)があります。尋常性白斑は後天性ですが、アルビノは先天性、つまり生まれつきの皮膚疾患です。
また、見分けにくい疾患に「癜風」(でんぷう)や「体部白癬」があります。これはカビが原因で起こるもので、顕微鏡検査や培養検査にて「真菌」を同定することで診断が可能であり、抗真菌剤の塗り薬を使って1カ月程度で完治が可能です。
奥菜さんは公表文章の中で、極度のアレルギー体質であるとも書いています。アレルギーにはI型~V型までありますが、患者数の多いI型アレルギーに分類される花粉症やアトピー性皮膚炎などと、尋常性白斑との関連はないと考えられています。ただし、尋常性白斑は、甲状腺の病気などの他の自己免疫疾患に合併しやすいことや遺伝的な関与が明らかになっています。
他にも、ストレスが原因といわれることもありますが、ストレスそのものが尋常性白斑の直接的な発症要因となるわけではなく、過度なストレスや疲労が何らかのきっかけとなり、自己免疫疾患のリスクが高まると考えた方がよいでしょう。
現時点では尋常性白斑を早期発見する方法はありません。しかし、先述したように治療方法はありますので、気になる症状がある場合、まずは皮膚科専門医のもとで正しい診断を受けてください。