「アマゾン・エフェクト」が医療・医薬にも
9月5日、米アマゾン・ドット・コムが日本で保険調剤薬局事業に参入すると報じられた。アマゾンは2018年、処方薬の配送サービス会社米PillPack社を買収し、20年には同社の事業をベースにオンライン薬局の「Amazon Pharmacy(アマゾンファーマシー)」をスタートさせている。
これまでアマゾンが新たなビジネスに参入すると、アマゾンが持っている強大な配送網と圧倒的な品数によって、その業界の勢力図が塗り替えられてきた。このことは「アマゾン・エフェクト」と呼ばれ、いくつかの業界の既得権益者を震え上がらせてきた。
特に新型コロナウイルスまん延以降、外出控えや在宅勤務などが浸透したこともあり、家に居ながら欲しいものが手に入るネットショッピングの利便性は、多くの人の支持を集めている。
アマゾンは日本における薬局事業の参入に関して、中小の既存薬局と組む体制のようだ。それは、日本の医療や薬局業界、そして一般市民の生活にどのような変化をもたらすだろうか。薬局を取り巻くビジネス環境を確認した上で、起こり得るメリット・デメリットを先読みしてみよう。