「電動キックボード」20代女性がひき逃げで逮捕…規制緩和に批判が殺到するワケ神宮前の歩道を爆走するLUUP(2023年8月、弁護士ドットコム撮影)
*本記事は弁護士ドットコムニュースからの転載です。

 電動キックボードの法規制が緩和されてから2カ月がたった。改正道交法では、一定の要件を満たす「特定小型原動機付き自転車」は16歳以上が運転免許なしで乗れる上、ヘルメット着用も努力義務となっている。

 報道によると、警察庁は7月の1カ月で7件の事故があり、7人が軽傷、交通違反の検挙は406件だったと発表した。9月10日には、東京・池袋の歩道で、人に衝突して骨折させたのに立ち去ろうとしたとして20代の女性が逮捕された。

 渋滞回避やCO2対策になる次世代の乗り物への期待も大きいが、開発する専門家からも「ルールの周知よりも(LUUPを代表とする)シェアサービスの広がりが先行し、拙速だ」と疑問の声が上がる。実証実験段階からリスクを懸念して国会で追及してきた参院議員も、「免許不要の現状で、運転の危険性を学ぶ場がまったく不十分。改正法は誤ったメッセージを出している」と厳しく批判する。