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思考を重視する人、気分で動く人、考えるより行動したい人…人の気質や考え方は人それぞれ。そして気質ごとに、最適なコミュニケーション方法が変わるのだとか。相手のタイプを知れば、謝罪の場面でより気持ちが伝わりやすくなったりするかも?本稿は、JAL国際線客室乗務員として19年勤務した経験を有し、JCPA日本コミュニケーション心理学協会マスター講師である山本千儀氏の著書『「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本 相手のタイプを知って“伝え方”を変えるコミュニケーション心理学』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
理論、感覚、行動…あなたは何型?
人の気質は3タイプに分けられる
人の性格の土台となる「気質」について、詳しく見ていくことにしましょう。
気質は、まずは大きく3つに分かれています。
本稿では私が学んだ日本コミュニケーション心理学協会の溝口和廣会長の考案にもとづいて、まずは土台である気質を次の3つでお伝えします。なお、アメリカの心理学者であるシェルドンの「頭脳緊張型」「内臓緊張型」「身体緊張型」、ドイツの学者クレッチマーの「同調性気質」「内閉性気質」「粘着性気質」と、スイスの心理学者であるユングの「内向―外向」「思考―感情」「感覚―直感」のタイプ分け理論を組み合わせています。
(1)理論型(I型=Intellectual)
(2)感覚型(E型=Emotional)
(3)行動型(P型=Physical)
(1)理論型とは、思考を重視する気質タイプであり、何事にも「なぜ?」と理由を聞きたがります。理由を知って納得してから動こうとする傾向があります。
自分なりに考えて、段取りをして準備が整ってから行動したい気質なので、行動を先に促されたり、急かされたりするのが苦手です。また、知的な表現や言い回しを好む、分析的な態度を取る、終わったことよりも未来のことを考える、といった特徴があります。
(2)感覚型は、感覚や気分で動く気質タイプです。普段から印象や感じ方で物事を判断する傾向があり、「このお店、雰囲気がいいから入ってみた」「わからないけど、何となくいいと思った」といった表現をよく使う人は、感覚型気質の可能性が高いです。
感覚型の人は好き嫌いがハッキリしていて、人情深く、情に流されやく、人に気をつかいがちです。買い物に行って店員さんに親切にされると、あまり欲しくなかったものまで、ついつい買ってしまうところがあります。
また、理論型の人が未来を考えるのに対して、感覚型の人は過去を重視します。「あの時、ああすれば良かった…」みたいに反省しがちなのも、感覚型気質の特徴といえます。
(3)行動型は、初動のスピードも早く、とにかく動いてみたい、やってみてから考えたいという体験重視の気質です。理屈をあれこれ知る前に、とにかく実際に試して理解しようとするところに最大の特徴があります。
物事を合理的に見てムダを嫌うので、結論が見えない長い話が苦手です。話を聞いている途中で「で、結論は?」「結局どうするの?決めてしまおう」というように早く話が終わる流れを作るのは、行動型の人に「あるある」の反応です。
未来・過去でいうと、先々の予定、過去の反省を考えるよりも、今この瞬間に集中しがちです。計画はまず目の前のことを片づけてから考えます。今の自分に必要がないものは躊躇なく捨てることができます。
この3つの気質は親からの遺伝とは無関係です。そのため、兄弟姉妹でも気質が全然違うこともありますし、親と子で全然違うことも大いにあります。
まずは土台となる3つの気質を知れば、パートナーシップ、上司部下、会社でのあらゆる人間関係、子育てに理解が深められ、また、ビジネスでのセールスやクレーム対応などにも適切に対応できるようになります。
戦国武将を気質で
分析してみると?
歴史上の人物も、気質でタイプ分けすると個性の違いがわかりやすくなります。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が詠んだとされる、有名なホトトギスの川柳があります。実際に3人が詠んだかの真偽は不明であり、出典も諸説ある言葉ですが、3人の性格を絶妙にあらわしています。それぞれを見ていきましょう。
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」(徳川家康)
「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」(豊臣秀吉)
「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」(織田信長)
家康は3つの気質でいうと感覚型の人であり、特に慎重で繊細な性格の持ち主です。スピードが遅く、行動に移すのに時間がかかります。「鳴くまで待とう」というのは、気質を考えると納得の解決法です。
豊臣秀吉は行動型なので「鳴かせてみよう」という言葉の通り、「ダメなら何かやってみようじゃないか」と行動を起こす気質です。
織田信長は家康と同じ感覚型なのですが、感情の起伏が激しく、好き嫌いがハッキリしているタイプの人です。気に入らないことがあると、カッとして「もういいや」と感情的になってしまうところがあり、「殺してしまえ」という表現には、そんな性格があらわれています。
ところで、理論型の人がホトトギスを詠んだら、いったいどのようになるでしょうか「鳴かないならなぜなのか?」と、理由を探って考え込んでしまう可能性もありそうです。
自分だったらどうするかを詠んでみると、気質を知る手がかりになるかもしれません。
「鳴かぬなら○○○○○○○ホトトギス」
あなたは、どんな川柳を作りましたか?ちなみに私は「鳴かぬなら一緒に鳴くかホトトギス」です。







