ファーストクラスで初対面の2人が…CAも驚いたエレガントすぎる振る舞い写真はイメージです Photo:mnbb/gettyimages

ビジネスやプライベートにおいて、円滑な人間関係を築くために配慮することはたくさんあります。相手に対する言葉づかいや態度など社会人として適切なビジネスマナーを心掛けることも重要ですが、マナー以前に必要な心構えがあります。それは、「相手を優先する」ということです。「相手を尊重する」ということは一般的によく使われる言葉ですが、「尊重」よりも少しカジュアルに、普段の何気ないほんのちょっとした気づかいで相手との人間関係を良好に保つ処世術が「相手を優先する」ということです。今回は、ファーストクラスに乗るエグゼクティブがちょっとした場面で見せた「相手を優先する」配慮と振る舞いをご紹介します。(CCI代表取締役・元国際線チーフパーサー 山本洋子)

会話がかぶったら、どうする?
言い分を通そうとすると不快

 友人と会話をしているとき、同じタイミングで声を発し、会話がかぶることがあります。そんなとき、皆さんならどうするでしょうか?

 相手に先に話すよう促すでしょうか。それともおかまいなしに自分の話を続けるでしょうか。いずれにしても、それまで弾んでいた会話が途中で途切れ、お互いが少なからず戸惑うことも多いのではないでしょうか。親しい友人同士のプライベートの会話であれば、気にすることなく話が続いていくのでしょうが、ビジネスシーンにおいては多少気まずい雰囲気になることもあるものです。

 そんなとき、相手に不快感を与えずスムーズに会話を続けるためには、「相手を優先する」心構えが必要になってきます。ただ、誰もが、自分の話を聞いてほしいと思う気持ち、つまり承認欲求を持っています。その承認欲求が度を超えて強いと、相手に不快な思いを抱かせてしまうこともあります。

 頭ではわかっていても、実際に会話が弾み、自分の話を「聞いて、聞いて」だけになってしまうと、気が付かないうちに相手の話を遮り、自分の言い分を通そうとしていることがあるものです。

 では、「相手を優先する」人というと、ファーストクラスにいらした二人のお客様の会話がやけに盛り上がっていたのを思い出します。二人は同行者ではなかったにもかかわらず、なぜ雑談が盛り上がっていたのでしょう。それは単に話題が良かっただけでなく、二人が処世術をマスターしていたからであるように思います。