人生100年時代といわれるようになり、定年後の人生が30年以上続くようになってきました。どうすれば60歳からも幸せな生活を続けることができるのか。「幸福学」を専門とする前野隆司さん、「老年学」の研究者である菅原育子さんの著書『60歳から幸せが続く人の共通点』(青春出版社)から、そのヒントを紹介します。
人生の幸福度は60歳から高まっていく
「年はとりたくない」という人がよくいます。確かに、年齢を重ねるにつれて体力や認知機能が衰え、皮膚の水分量は低下していきます。メディアの報道を見ると、高齢者に関するネガティブな記事が多いために、「高齢者は不幸に違いない」と思い込んでいる現役世代の方は少なくないかもしれません。
しかし、高齢者は本当に不幸なのでしょうか?
実は、科学的な見地をもとにした研究によると、必ずしもそうではないという事実が浮かび上がってきています。
その1つが、年齢と幸せの関係を表したカーブ(次のページ参照)です。これは、心理学者が行ったアンケート調査をもとに、年齢と主観的な幸福感の平均値をグラフにしたものです。