ジャニーさんの一存で
出演が確定
――本にも書いてありましたね。ジャニー氏は仕事を決める。だけれど、仕事先のことはジャニーズの振付師や現場のスタッフが決める。
そうです。だから困るのです。ジャニーさんルートでいくと、ジャニーさんの一存とゴリ押しで仕事がねじ込まれる。だけど、そこに計画性はない。だから、仕事は入れてくれるけど、現場には話が通っていないこともある。行ってみたら「ダレ?」「なんで来たの?」なんて反応を現場のスタッフからされることもあります。
「ジャニーさんが仕事あるって言うから来たんですけれど」と説明し、現場が誰かに電話をかけ、その人がまた誰かに電話をかけ、やがて、ジャニーさんに行き着いて「自分が行かせた」という証言を取る。そうすると、急きょ出演が確定して「メイクしなくちゃ」「撮影しなくちゃ」と慌てて現場が動き出す。現場はジャニーさんのお願いなので断れないけれど、内心困っていました。
――しかし、テレビのことはテレビ局や制作会社が仕切るし、雑誌であれば、出版社やメディアの媒体が仕切るわけですが、そこに突然に強引に演者をねじ込んだら「話違うだろ」と相手も怒ると思います。ジャニーさんの身勝手な意向に関係先の他社までもが従わないといけないというのはすさまじいですね。
そうです。だけど同時に、ジャニーズのすごさが明らかになる。こんなに何でも好きに決められるのだと。しかしそれは、ジャニーさんから切られることがいかに恐ろしいかということでもあります。