新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本製鉄、住友金属鉱山などの「製鉄/金属製品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
鋼材需要は低迷気味
それでも各社増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製鉄/金属製品業界の4社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(4社の対象期間はいずれも23年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本製鉄
増収率:14.6%(四半期の売上収益2兆1998億円)
・住友金属鉱山
増収率:3.2%(四半期の売上高3692億円)
・ミネベアミツミ
増収率:16.5%(四半期の売上高2924億円)
・JFEホールディングス
増収率:0.7%(四半期の売上収益1兆2621億円)
4社はいずれも前年同期比で増収となっていて、中でも日本製鉄とミネベアミツミは2桁増となった。ただ、世界で鉄鋼需要は減っていて、全社とも利益面は好調とはいえなさそうだ。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、利益面はどうなっているのか見ていく。