ジャニーズ事務所による2回目の記者会見が大荒れだ。さらにNHKによるスクープ「NG記者」リストが報道されたことにより、批判が噴出している。しかし、事態は単純な炎上というわけではない。ネット上では、放送された映像の中にあった「氏名NG記者」の文字が拡散し、あらぬ誤解を生んでしまっているのだ。(フリーライター 鎌田和歌)
会見後に複数の記者に
「NGリスト」のリーク?
「SMILE-UP.(スマイルアップ)」に社名変更することが予定されているジャニーズ事務所の記者会見から2日後……10月4日の夜7時に、NHKで流れたスクープは強烈だった(『ジャニーズ事務所会見 会場に質問指名の「NGリスト」』)。
一部記者の怒号が飛び交い、質問しようとする記者をなだめる井ノ原快彦・ジャニーズアイランド社長に対しては記者席から拍手まで起こった異例の会見だったが、会見の運営側が「NG記者」のリストを作っていたというのだ。
会見に参加した他の記者らの発信によれば、記者会見後に「NG記者」リストの情報が複数の記者にリークされたようだ。NHKは自社の撮影した映像を解析し、その中に会見スタッフが持っていた資料が映り込んでいるのを見つけるなどして裏を取ったと推測される。
企業のリスク管理として考えれば、要注意記者の情報が共有されるのはあり得ることなのかもしれない。しかしだからといって、指名しない記者のリスト化はやりすぎだ。
今回のように海外でも取り上げられるような不祥事の責任が問われる中で、このような工作が露見してしまうのは取り返しがつかない事態だろう。
しかも今回の会見では、指名する記者を恣意(しい)的に選んでいるのではないかといった疑惑・不満も出ていた。さらに言えば、このような疑惑は単なる言いがかりだとする事務所側擁護の声も大きく、その中でスクープされた「NGリスト」の衝撃は大きい。