京都銀行は10月2日に京都フィナンシャルグループ(FG)を設立。土井伸宏・京都銀行前頭取がFG社長に就任し、6月に常務取締役だった安井幹也氏が新頭取に就任した。政策保有株式の多さなどが指摘されている中で、バトンを受け取った安井新頭取。意気込みと課題について聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
京都フィナンシャルグループが始動
持ち株会社体制移行の狙いとは
10月2日、京都フィナンシャルグループ(FG)が発足した。地方銀行大手の京都銀行や京銀証券などを傘下に置く。
6月まで京都銀行を率いた土井伸宏前頭取は、京都銀行の会長とFG社長に就任。京都銀行頭取には常務だった安井幹也氏が就任した。
東京商工リサーチによると、全国の倒産件数は2022年4月から17カ月連続で前年同期を上回る。大阪府や京都府など近畿6府県も例外ではなく、9カ月連続で増加中だ。
こうしたネガティブな要因もある中で、京都府は新型コロナウイルスによる影響がほぼなくなったことで、世界各地からの観光客であふれている。地元経済が息を吹き返す、良い兆しも見えている。
地元経済の要である京都銀行を、安井新頭取はどうかじ取りしていくのか。意気込みを聞いた。
現場の行員はコーディネーター
本部は専門人材を強化していく
――京都FGが発足したことで、京都銀行や取引先に、どのような効果があるのでしょうか。
お客さまが抱えている課題は非常に多様化しています。それに一つ一つ向き合って、寄り添っていくことが問われています。銀行をはじめ、グループ各社が連携し、新会社設立も含めて事業領域の一層の拡大と深掘りをして、グループの総合力を強化していきます。
――2023年4月から、「新・第1次中期経営計画」がスタートしています。グループ総合力の強化やコンサルティングの強化などをうたっています。
本部では伴走支援を拡大していますが、これは特に新しいことではなくて、これまでと同じようにしっかりとお客さまを支えていくということです。
多様化するニーズに対応するために、本部には専門スタッフが多数在籍しています。今回FGがスタートしましたが、その目的の一つには、専門スタッフをさらに増やしていくということがあります。
支店の行員はお客さまの課題をつかんだ上で、グループ内の専門スタッフを巻き込んで一番良い提案につなげていく、コーディネーターのような役割が求められていると考えています。
――安井頭取は人事部門が長かったわけですが、そのあたりの課題を感じていたのでしょうか。