全国141信用組合の「経営格差」ランキング、住宅ローン残高1位は?参照した121信用組合については、2022年度中に消費性ローンを46億円減少させた一方で、住宅ローンを465億円増加させ、個人ローンの収支としては418億円増加させている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

個人向けローンの
取扱い状況は?

 2023年3月末現在の数値からうかがえる信用組合の動向について、第4回は、「どのような先に融資を行っているのか」の視点で、特徴的な動向を紹介したい。全国145の信用組合のうち、横浜華銀・名古屋青果物・滋賀県民・呉市職員信用組合を除いた141信用組合は、インターネットのホームページ上にディスクロージャー誌を開示している。このうち121信用組合のディスクロージャー誌には、消費性ローンと住宅ローンの融資残高が掲載されていたため、この数値を2022年3月末の数値と共に抽出し、貸出金残高(総額)と併せてそれぞれ合算した[図表1]。

 参照した121信用組合については、2022年度中に消費性ローンを46億円減少させた一方で、住宅ローンを465億円増加させ、個人ローンの収支としては418億円増加させている。貸し出し全体としては3665億円増加させているため、増加させた融資の9割近くを事業資金などが占めたことが逆説的に判明された形だ。