全国141信用組合の「経営格差」ランキング 不良債権比率が高い信組は?新型コロナの感染拡大対策として導入されたゼロゼロ融資という“特需”はあったものの、業態を問わず、近年の多くの地域・中小金融機関では、この預貸率の低下に悩んでいる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

預金に対する
融資の割合は?

 2023年3月末現在の数値からうかがえる信用組合の動向について、第3回は、融資の数値的な動向を掘り下げたい。全国145の信用組合のうち、横浜華銀・名古屋青果物・滋賀県民・呉市職員信用組合を除いた141信用組合は、インターネットのホームページ上にディスクロージャー誌を開示している。このデータから貸出金・預金積金・譲渡性預金を2022年3月末の数値と共に抽出し、それぞれ合算した[図表1]。

 参照した141信用組合では、2022年度中に貸出金が5103億円増えた一方で、預金積金は4323億円、譲渡性預金も44億円しか増えていない。預金よりも融資が伸びたことから、預金に占める融資の割合である預貸率が1.13%上昇し、57.57%となった。同時期の地方銀行・第二地方銀行の預貸率が75.31%となっているため、その4分の3程度の水準となる。