全国141信用組合の「預金規模格差」ランキング 10位警視庁職員向け、7位在日韓国人系、1位は?定期預金で金利優遇キャンペーンを行う横浜幸銀の電車広告(筆者撮影)

メディア報道が少ない
信用組合の業界内格差は?

 構成する組合員により、地域・業域・職域に分類される信用組合は、いずれも組合員の相互扶助、すなわち助け合いを目的に設立・運営されている[図表1]。

 実態としては、銀行などに融資を謝絶された小規模事業者や個人の“駆け込み寺”の側面も認められよう。2020年からの新型コロナの感染拡大局面でも、資金調達に困窮した多くの小規模事業者等を支えたことは想像に難くない。

 それゆえに、融資をはじめとする信用組合の業績は、地域の中小企業や小規模事業者などの実情を間接的に映す鏡となっている一面がある。また別の切り口では、信用組合の経営実態に余裕がなくなれば、利用者への資金繰り支援に支障を来しかねないともいえよう。

 そうした一方で、信用組合に関連するメディアからの報道は相対的に少なく、一般の消費者に実情が伝わりにくい一面があると考える。このため、2023年3月末現在の数値からうかがえる信用組合の動向をいくつかの切り口からごく簡単に紹介したい。初回は、預金について着目したい。