もう一度、テーマに戻る


 ここで、最初のページで見ていただいた「これからの時代における幸せとは?」というテーマを思い出してください。僕が頭に浮かべたのは「オンライン生活が当たり前になる」というものでした。

 この「オンライン生活」と、定規や、コード類、缶について考えたことを結びつけてみるのです。

 たとえば定規とオンライン生活。いろいろと郵送するものが増えるので、その行為と定規の長さの意味を関連させることはできないだろうか……。

 コードの図鑑とオンライン生活は? リモートワークが定着してガジェットや家電がますます多くなれば、図鑑を必要とする人もいるかもしれない……。

 缶はどうだろう。オンライン飲みや家飲みが増えると当然、家で消費する量も多くなる。そもそも、オンラインで箱買いすればコスパがいい。ってことは、空き缶がたまる。その二次利用はニーズがあるかもしれない……。

 このように、いったんテーマから離れたら、またテーマに戻って考えてみます。それでテーマと結びつけることができたら「アタリ」です。

「これからの時代における幸せとは?」という壮大なテーマを前に、たとえば「定規」なんてものを取り上げる人はどれくらい、いるでしょうか。この時点で発想に独自性が生まれました。

 しかも、ちゃんとテーマに沿った「オンライン生活」と結びついているので「言われてみればそうかも!」と共感も確保できます。

 こうやって、テーマから離れたり、またテーマから考えてみたり、と、脳の中で行ったり来たりを繰り返します。

 これで発想の幅が自然に広がってくれます。

 そればかりか、テーマから離れすぎず、かつ、独自性のあるキーワードが、ひょんなところから生まれます。

 おかげで共感されながら、驚きも与えることができます。

(中略)

ほぼ同時にテーマから離れたり戻ったりする

 テーマから考えたり、テーマから離れたり、また戻ったり、というのは、ステップ1、ステップ2……と進める作業のようなものではなく、脳内でほぼ同時に行き来しています。

 僕自身、その時々で順番や考える比重を変えたりもしていますし、ときによっては、どちらか一方しか使わないこともあります。

 そして、テーマから離れて考えたことがテーマと結びつかなければ、また目に入ったほかのもので考えればいいだけのこと。落胆せずに切り替えましょう。

 人は1日6万回も思考しているといいます。「これはどうかな?」「あっちは?」とやっていると、必ずアタリは出ますから安心してください。