エアコン写真はイメージです Photo:PIXTA

今年6月から大手電力会社7社が一斉に値上げをし、日々の生活に大打撃を与えている電気代。そこで電力を消費しやすいエアコンや冷蔵庫、照明、これからの季節に活躍する暖房器具などの「効果の高い節電術」を紹介する。本稿は『どうする!? 電気代 節約完全マニュアル』(ARTNEXT)の一部を抜粋・編集したものです(記事内の数字・金額は2023年6月取材時点のものです)。

電気代がかかるぶん
節電効果の大きいエアコン

 夏季・冬季ともに、家庭でもっとも電力を消費する(=電気代がかかる)家電。それがエアコンです。家庭でエアコンの節電について考えるときに、大きなポイントが3つあります。

 まず「外気温と室温(設定温度)の差が大きいときにエアコンは頑張って出力を上げる」ということ。節電のためには、エアコンそのものの操作を工夫する以前に 「外気温と室温の差を小さくする」ことが大切なのです。たとえば遮熱カーテンなどを用いて、外部からの熱気や寒気を遮断すること。窓枠をアルミサッシから木製サッシに変更したり、二重窓にしたりというリフォームも、エアコンの節電につながります。

 2つ目は「エアコンのスペックに適した使い方をする」こと。たとえば6畳の部屋が2つある場合に部屋の間の仕切りを取り、6畳用のエアコンで2部屋とも冷やす(暖める)という人は、それだけで無駄な電気代がかかっています。各部屋に6畳用エアコンを設置して個々に動かしたほうが、電気代的にはお得なのです。

 最後の3つ目は「設定温度と稼働時間」を管理すること。やはりこれがエアコン節電術の要です。夏季は冷やし過ぎ・冬季は暖め過ぎを避け、必要のないときは稼働させない。それだけで年間4500円程度の節約になります。

 また、冷房時には扇風機と併用して、エアコンの設定温度を少し上げる、フィルターを月1~2回清掃するなど、細かい節電術もたくさんあります。このあたりは好みによって採用・不採用を決める形でOK。ストイックになり過ぎないように気を付けつつ、節電を楽しみましょう。

電力消費量第2位
冷蔵庫の節電術

 冷蔵庫に関する節電術の特徴として、昔から知られたテクニックの中にも効果の大きいものと、それほどでもないものが混在していることが挙げられます。

 昔から知られているテクニックの1つが「冷蔵庫はスカスカに、 冷凍庫は詰め詰めに」というもの。 冷蔵庫の仕組みは、まずは冷媒と呼ばれる気化しやすい媒質を圧縮機で圧縮。高温高圧になった液体を毛細管から噴出させて低温低圧にし、冷却器に送ります。ここで液体は気体に変わり、この気体が庫内を循環して周りから熱を奪う仕組みです。冷蔵庫に食物を詰め込み過ぎると、この冷気の循環が悪くなり、庫内を冷やすために余分なエネルギーが必要になります。冷凍庫は逆に、凍ったアイテム同士がお互いに冷やし合うため、詰め詰めのほうが冷却効率がよくなります。これは大きな節電効果が見込めるテクニックです。