「目の前の“あたりまえ”に対して、『それって絶対じゃなくない?』って言えるかどうか。すべてはそこから生まれる」――オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、いま話題沸騰の「YouTube大学」で大絶賛した一冊の本をご存じだろうか? 無名の美術教師による初著書だったにもかかわらず、発売以降、各界のオピニオンリーダーらやメディアから絶賛された『13歳からのアート思考』だ。
同書では、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。タイトルには「13歳の……」と冠せられているものの、感動の声をあげているのは、主に大人たちのようだ。
何が読者の心をつかんでいるのだろうか? 瞬く間に9万部を突破するベストセラーとなった『13歳からのアート思考』において、最も多くの反響を呼んでいるのが、冒頭にも掲げられた「《睡蓮》のかえる」のエピソードだという。(初出:2020年7月27日)
私たちがモネの《睡蓮》に発見できないもの
「かえるがいる」――岡山県にある大原美術館で、4歳の男の子がモネの《睡蓮》を指差して、こんな言葉を発したことがあったそうです。
みなさんも美術館に来たつもりになって、次の絵を「鑑賞」してみてください(*1)。
さて、このなかに「かえる」を発見できるでしょうか?