とある美術教師による初著書にもかかわらず、各界のオピニオンリーダーらやメディアから絶賛され、発売3ヵ月で5万部超という異例のヒット作となった『13歳からのアート思考』。

 先行きが不透明な時代だからこそ知っておきたい「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出す思考法とは? 同書より一部を抜粋してお届けする。

じつは誰にも見えていない「絵画」の本当の姿Photo by Adobe Stock

じつは見えていない―「窓」と「床」の思考実験

前回は、第一次世界大戦の直前にアメリカで生まれ、ニューヨークで活動したアーティスト、ジャクソン・ポロックの《ナンバー1A》という作品がどんなふうに描かれたのかをご紹介しました。

しかしこの絵、見れば見るほど、不思議です。なぜこんな絵に数百億円の値がついたのか、ちょっと理解に苦しむというのがみなさんの本音ではないかと思います。

さて、ポロックがどのような探究をしていたのかに迫っていく前に、ちょっとした体験をみなさんと共有しておきたいと思います。ちょっとした気分転換にもなるはずですので、ぜひやってみてください。

まずは、5秒間ほど「窓」に目を向けてみてください。
心のなかで5つを数えてみるのもいいでしょう。
さあ、「窓」を見てみましょう。