大和ハウスと積水ハウス、受注額増減率を近視眼的に評価したら見誤る「9月の意外な差」Photo:PIXTA

新型コロナウイルス禍が過去のものとなりつつあるが、多くの業界においてコロナ前への完全な逆戻りは起きず、新たな事業環境に突入している。そこで上場約50社、15業界の月次業績データをつぶさに見ると、企業によって業績の明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移から、6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年9月度の住宅編だ。

大和ハウスと積水ハウスの
「意外な差」とは?

 住宅メーカーの主要2社が発表した23年9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯大和ハウス(大和ハウス工業)の受注金額(合計)
 9月度:前年同月比90%(10%減)

◯積水ハウスの受注金額(全体)
 9月度:同105%(5%増)

 23年9月度の実績は、大和ハウスが前年同月比で減収となった一方、積水ハウスは増収と対照的な結果となった。両社の差は15ポイントと大きい。

 ただ、各社の月次業績について時間軸を広げて分析すると、意外な「差」が見えてきた。