ティファニーが「2万円台」でオープンハートのペンダントを売る理由写真はイメージです Photo:123RF

ティファニーと言えば、誰もが知る一流の高級ブランドです。しかし、その豪華なイメージの一方、手が届くリーズナブルな価格でもジュエリーを提供していることをご存じでしたか?ティファニーを通して、通常の商品とは”真逆”なラグジュアリーブランドの価格戦略について探ります。(グロービスAI経営教育研究所 所長/グロービス経営大学院 教員 鈴木健一)

世界5大ジュエラーの中でも
最も歴史あるラグジュアリーブランド、ティファニー

 皆さんはティファニーと聞いて、どのようなことが頭に浮かぶでしょうか。

 ティファニーブルーのボックスと、シンプルで洗練されたデザインのジュエリー。さらに最近だと、Snow ManやBLACKPINKのロゼといったブランドアンバサダーをイメージするかもしれません。また、60代以上の方は1980年代後半、クリスマスシーズンにプレゼント用にオープンハートのペンダントを求める男性が行列を作った“ティファニー現象”が強いイメージとして記憶に焼きついていることでしょう。当時はあまりの人気にオープンハートペンダントの生産が追い付かず、1カ月待ちの人気だったとされています。

 ティファニーは日本でよく称される世界5大ジュエラー(Tiffany & Co.、Cartier、BVLGARI、Van Cleef & Arpels、Harry Winston)の一角を占めています。創業は1837年ニューヨークと5大ジュエラーでは最も老舗のブランドになります。

 ちなみに、ラグジュアリーブランドはコングロマリット化が進んでいて、5大ブランドのうち、ティファニーとブルガリはLVMHグループに、また、カルティエとヴァン クリーフ&アーペルはリシュモングループの傘下に入っています。

ティファニーが「2万円台」でオープンハートのペンダントを売る理由各種データを基に、著者作成 拡大画像表示