中国で新たな観光需要が注目
9月29日から10月6日まで8日間に及んだ中国の大型連休は、中秋の節句(日本で言う十五夜)と中華人民共和国の建国記念日を意味する国慶節という2つの記念日を含むので「双節連休」と呼ばれている。
今回の連休はコロナ禍発生以来、3年ぶりの大型連休で、中国の多くの景勝地が超満員状態に陥り、うれしい悲鳴を上げていた。中国文化・旅遊省データセンターが発表した統計によれば、中国国内旅行に出た人数は延べ8.26億人になり、2019年比で4.1%増を記録した。旅行関連の売り上げは7534.3億元(約7兆500万円)で、同1.5%増に達した。
山や湖など自然の景観を主とする景勝地に行く観光客は依然として圧倒的に多いが、新しい変化も出てきた。ショーの楽しみを求めたいという観光需要が広く注目されるようになったのだ。その中で、今年最も人々の関心を集めたのは西安市の「大唐不夜城」と、河南省南陽市で行われた「2023中原迷笛音楽祭」といえよう。
「大唐不夜城」は、長い歴史のある大雁塔(仏塔)と新しく建設された大唐芙蓉園(テーマパーク)の間に位置する古代風の模倣建築が集中しているエリアだ。1500メートルにも及ぶ広い中軸景観大道は、その中央部を南北に通っている。
このエリアでは、コロナ禍前から、漢服と呼ばれる民族衣装を身にまとって若い女性が散策するようになっていた。おしゃれを楽しむ観光の一つの現象として、私も知っていたが、高く評価できる要素を感じず、当時は特に取り上げようとは思わなかった。
だが、最近、この漢服の人気が高まり、社会現象になっている。