サイバーエージェントが“想定以上の打撃”受けたゲーム事業の反動減、「次のウマ娘」は出る?Photo:PIXTA

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、サイバーエージェント、電通グループ、博報堂DYホールディングスの「広告」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

電通、博報堂DYは増収も
サイバーエージェントだけが減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の広告業界3社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(3社はいずれも23年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・サイバーエージェント
 増収率:マイナス0.2%(四半期の売上高1717億円)
・電通グループ
 増収率:3.1%(四半期の収益2981億円)
・博報堂DYホールディングス
 増収率:3.0%(四半期の収益2015億円)

 電通グループと博報堂DYホールディングスはいずれも3%台の増収率となった。しかしサイバーエージェントだけが、わずかに減収となった。その理由は、「ウマ娘 プリティーダービー」をはじめとするゲーム事業の想定以上の落ち込みだ。一体どれほどの痛手を被ったのか、また、なぜそのような状況に陥ったのかについて見ていこう。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに利益面も解説する。