楽天、最終赤字1400億円でも復活の光明?モバイル「最強プラン」で起きた劇的変化とはPhoto:JIJI

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はエムスリー、LINEヤフー、楽天グループなどの「ITサービス」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

楽天グループが純損失1400億円
モバイル事業の赤字幅は縮小

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下のITサービス業界5社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(5社はいずれも23年4~6月期)としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・エムスリー
 増収率:0.7%(四半期の売上収益574億円)
・LINEヤフー(旧・Zホールディングス)
 増収率:10.2%(四半期の売上収益4305億円)
・楽天グループ
 増収率:9.7%(四半期の売上収益4972億円)
・MonotaRO
 増収率:12.9%(四半期の売上高624億円)
・メルカリ
 増収率:18.2%(四半期の売上高442億円)

  ITサービス業界の5社は、いずれも前年同期比で増収だった。特にZホールディングス改めLINEヤフーとMonotaRO、メルカリの3社が2桁増収となった。

 増収が相次ぐITサービス5社だが、楽天グループは利益面で赤字が続いている。赤字の主な原因となっているのがモバイル事業だが、23年6月から始まった新料金プラン「Rakuten最強プラン」によって変化はあったのか。

 次ページでは、各社の増収率の推移と併せて、楽天の現状について詳しく解説する。