ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指したいものです。そこで本連載では論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文、世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。
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鼻水とくしゃみが止まらない?
秋からの体調不良は「寒暖差」を原因とすることが少なからずあります。
寒暖差で生じる鼻炎は通称「寒暖差アレルギー」、医学用語では「血管運動性鼻炎」といい、この寒暖差アレルギーは急激な温度差によって自律神経が乱れることで生じる鼻炎と考えられています。
自律神経を整えるために「歩く」
そこで秋冬もウォーキングの出番です。
なぜならウォーキングは自律神経を整える運動でもあるからです。
秋はウォーキングを行うことで自律神経を整えれば、寒暖差アレルギーに備えられるとともに心も整うので一石二鳥。
続ければいい循環が生まれる
ウォーキングで下半身の筋肉量が増えれば基礎代謝が上がります。
ふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで、静脈の血液は心臓に戻り血流を改善します。
これがふくらはぎが「第二の心臓」と言われる理由ですが、血流が改善すればむくみにくくなり、自律神経がさらに整うといういい循環も生まれます。
ですからこの意味からも冬前のウォーキングはおすすめです。
7℃以上の寒暖差が危険
最近は冬も室内と外の寒暖差が問題になります。
千葉大学は寒暖差アレルギーを生じる温度差について、興味深い研究を行っています。
この研究によると室温20℃に対して13℃の冷たい空気を吸うことで鼻炎を生じていたことがわかりました。
つまり冬の7℃以上の寒暖差も危険だということです。
秋冬もしっかり歩く
そこで秋冬もウォーキングをすることで、自律神経を整えアレルギーを起こさないようにする。
そのためにもいまからぜひ、歩く習慣をはじめましょう。
※本書には、ウォーキングにまつわるさまざまなエビデンスと、具体的かつ効果的な歩き方が紹介されています。