東大医学部が乗り出した「細胞レベル」の美容研究、CBDってなんだ?東大病院と隣接する大学院医学系研究科の研究室 (写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、さまざまな化粧品や嗜好品に使用されるようになった「CBD」。美容効果やリラックス効果が多くの製品で謳われているが、具体的な効果についてはあまりよく知らない人も多いのではないか。そもそもCBDとはどんな物質なのか。私たちの体にどんな影響をもたらすのか。東京大学大学院で研究を行う医師に聞いた。(取材・文/日本化粧品協会メディア事業部編集長 江口真理)

化粧品やお菓子、お酒にも
CBDは大麻草に含まれる物質

 CBDとは、Cannabidiol(カンナビジオール)の略称で、大麻草に含まれる特有の生理活性物質である「カンナビノイド」の1つ。カンナビノイドは、現在までに100種類以上が発見されており、中でも、日本では麻薬として厳しく規制されているTHC(テトラヒドロカンナビノール)と、麻薬に分類されないCBD(カンナビジオール)、CBN(カンナビノール)が三大カンナビノイドとして知られている。

 大麻草と聞くとネガティブなイメージが先行するかもしれないが、CBDは日本でも急速に広まっており、化粧品のほか、お菓子やコーヒー、クラフトビールなどの嗜好品も登場し、私たちの生活に身近なものとなりつつある。

 これらの製品は、肌への美容効果やリラックス効果が独自に謳われているが、東京大学大学院医学系研究科・医学部 臨床カンナビノイド学講座特任准教授・講座長の吉崎歩先生は「皮膚に対するCBDの有用性、安全性は必ずしも十分に証明されているとはいえない」と言う。

 そこで、2023年4月に東京大学に設立されたのが、「臨床カンナビノイド学 社会連携講座」だ。

「臨床カンナビノイド学講座では、カンナビノイドの中でも最も身近なCBDについて、それぞれの作用のメカニズムを、細胞レベル、タンパク質レベル、遺伝子レベルで解明する研究を行っています」