「また、あなたから買いたい」と思ってもらえる販売スタッフは、小さな「きほん」を大事にしています。本連載は、1万3000人を売れる販売スタッフに変えた岩倉正枝さんの著書『イラストだけでわかる!接客のきほん』から、お客様の心をつかみ、確実に購入につながるちょっとした秘訣を再構成して紹介します。岩倉さんの伝えていることは、接客のお仕事に限らず、どんなお仕事にも共通する「きほん」と言えます。(初出:2022年10月31日)
言葉には配慮が必要です
全日空に入社し、VIP専用機の客室乗務員等を務める。結婚退職後、JTB添乗員、海外ブランドショップの販売スタッフ、ビジネスマナー講師等を経て、1999年、販売スタッフ教育・研修やブランドマーケティングを手がけるクレセントアイズを設立し、ラルフ ローレン等の有名ブランドで売り上げアップの成果をあげる。2006年、海外ブランド等の国内ショップへの人材派遣会社を立ち上げ、代表取締役に就任。著書は中国でも翻訳出版され好評を得ている。撮影:板山一三
今回紹介する接客のきほんは、「お客様への配慮に欠ける言葉は使わない」です。
まずは、「お客様がお連れ様と一緒に来店されている場合、その関係を推測で判断しない」こと。
たとえば、似た感じの女性2人のお客様を姉妹と決めつけて、
「こちらの色はお姉様にお似合いだと思います」
とお声がけしてしまうと、
「えっ?同級生ですけど」
と気まずくなるでしょう。
あるいは、男性と女性のお2人連れのお客様をご夫婦と決めつけて、
「ご主人様とお買い物!いいですね~」
などと思い込みで声がけするのも注意が必要です。
友人か姉妹か、ご夫婦か同僚かは、接客の中でわかるはず。
会話が進む前に、決めつけたような発言はひかえましょう。
年齢やサイズについての発言にも配慮が必要です。
【✕NG!パターン】
✕「お客様はLサイズですね!」
✕「Mサイズでは小さいと思います」
✕「そちらは、ゆったりしているので大丈夫だと思います!!」
✕「こちらの商品はご年配の方に人気です!」
いずれもお客様への配慮に欠けた言葉です。
お客様には次のように伝えてみましょう。
【◎OK!パターン】
◎「そちらの商品は、人気の商品でございます」
◎「デザインがゆったりめなので、リラックスしてお召しになれます」
◎「こちらの商品は、小さめにできておりまして、皆様ひとつ大きいサイズをお召しになります」