「石油ショック50年」何が変わったか?中東不安定化で本当に懸念すべきこと日本にとって石油ショックは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」への契機にもなり、そしてその後の「衰退」の遠因になった(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ガザ侵攻始まり緊迫する中東
第三次石油ショックが起こるか?

 パレスチナのイスラム組織ハマスのイスラエル襲撃とその報復でイスラエル軍のガザ地区への地上侵攻が始まり、中東情勢は緊迫度を増す。現地は極めて悲惨な状態になっており、何とか解決の方向が見出されてほしい。

 中東危機と聞くと、日本人は条件反射的に石油供給は大丈夫か、原油価格は上がらないか、と考えてしまう。

 それは、第一次石油ショックのときの経験があまりに強く記憶に残っているからだ。

 ちょうど50年前の1973年11月、第四次中東戦争の中で石油ショックが勃発した。この時代を経験した人は、これと同じ問題が今回も起こることはないかと、どうしても考えてしまう。

 ただ、今回の中東紛争が50年前と同じように石油情勢に影響与えるとは考えにくい。50年の間に、原油をめぐる情勢も、アラブ世界の情勢も、そして日本経済も大きく変わったからだ。

 とりわけ日本にとって石油ショックは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」への契機にもなり、そしてその後の「衰退」の遠因になった。