新世代の数理モデルを開発する人々が、迫り来る「保険危機」の打開に貢献するかもしれない。洪水、暴風雨、山火事に原材料価格の高騰が重なり、いわゆる災害保険の保険料は上昇している。米国ではフロリダ州のようなリスクの高い地域から転出したり、保険加入を見送ったりする人もいる。オールステート、ステートファーム、チューリッヒ・インシュアランス・グループ(スイス)傘下のファーマーズ・インシュアランスなどの保険会社は、災害の多い地域の商品提供から撤退している。リスク評価会社ベリスク・アナリティクスによると、保険業界の年間平均損失(長期的な期待損失額)は過去最高の1330億ドル(約20兆円)に達する可能性がある。保険対象外の損失はさらに大きくなるだろう。北米では自然災害リスクで保険対象となっているのは全体の51%にとどまる。欧州では44%、アジアではわずか12%だ。
気候リスク待ったなし、「保険危機」の救世主は
災害多発地域から大手が撤退、AI活用のモデル開発企業に期待
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