「頭がごちゃごちゃして、うまくまとまらない」「何かとすぐ忘れてしまう」……。仕事や勉強をするなかで、そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
1000人以上の東大生のノートを分析してきた現役東大生の西岡壱誠氏によると、それらは「ノート」で解決できるといいます。
東大生は、「あとから見返す目的」でノートを取りません。ノートは、授業後に情報を整理し、理解するために取っています。そのような取り方をしているから、東大生は頭がよく、逆に言えばノートの取り方次第でだれでも頭がいい人になれるのです。本記事では、『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「東大生のノートの特徴」について話を聞きました。
東大生のノートの特徴とは?
東大生のノートの特徴の一つとして、「要約」が書いてあることが挙げられます。
多くの東大生のノートに、「要するに今回の授業の内容はこういうこと」「要するにこの文章はこういうことが伝えたかった」というような「まとめ=要約」が書かれています。100~200文字程度で、簡単なまとめを書いているノートを作っていることが多いのです。
なぜ、東大生はノートで要約をするのでしょうか?
東大は「要約」できる学生を求めている
それはとても簡単な理由で、実際に東大の入試問題で要約の問題が出題されているからです。
国語だけでなく、英語でも要約の問題が毎年出題されますし、日本史や生物・世界史など多くの科目で、「この日本史の資料を要約しなさい」「17世紀の世界について要約しなさい」「この時代のイギリスの外交について要約しなさい」といった要約力を問う問題を多く出題しています。
東大は、要約ができる学生を求めているのです。
要約できる=頭の良さの指標
そもそも要約力は、昔から「頭の良さを測る指標」として使われていました。
国語の問題でもよく、一番最後の配点が高い問題として「この文章のまとめとして、次の選択肢から正しいものを選びなさい」みたいな選択問題が出題されているところを見たことがあるのではないでしょうか。振り返って考えてみると、やはりこういう問題に正解できているときは、その文章をしっかりと読解できているときなんですよね。
要約の意外なメリット
そして要約をしようとすると、その文章や話の『流れ』が見えてくることがあります。
例えば、「1851年に第一回ロンドン万国博覧会が開催された。これはイギリスが自国の経済発展を他国に見せつけるためのイベントであり、その4年後にはそれに対抗してパリ万国博覧会が行なわれ、フランスの産業革命の達成がアピールされた」という文章があったとして、重要なのはどこでしょう?
「1851年 第一回ロンドン万国博覧会開催」でしょうか?
おそらく、要約としては「自国の経済発展の象徴としての万博が19世紀半ばにイギリスやフランスで行われた」となるでしょう。
この流れがわかっていれば、この時代のイギリスやフランスが経済発展してそれをアピールしたり経済発展を象徴する出来事が他にも行われていたと考えられ、他の情報ともつながっていきます。
時代の流れを掴むことができるため、他にも応用可能な情報に変換することができるというわけです。
一の情報が、十に変換できる
「一を聞いて十を知る」というのは頭のいい人の形容に使う言葉ですが、要約をするとまさに、「一の情報が、十に変換できるような情報に変化する」ということが起こりうるわけです。
ということで、みなさんもぜひ、要約の訓練をしてみてください。きっとみなさんにとってプラスになると思います!