X(旧ツイッター)のリンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)は9月、広告主を同社のプラットフォームに呼び戻そうとニューヨークのオフィスに彼らを招いた。その集まりの冒頭で講演を任されたのは、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の幹部だった。ヘイトスピーチ(憎悪表現)や誤情報など、同プラットフォームのリスクについて多くを耳にしてきたヤッカリーノ氏と同氏のチームは、NFLの試合のハイライト映像などテレビ型のコンテンツを広告主に売り込んでいる。それは、コンテンツに神経質になっている広告主に、資金を投じられる場所を提供できるX内の安全地帯となっている。イーロン・マスク氏からXのCEOの座を引き継いでから5カ月、米メディア大手NBCユニバーサルの広告販売責任者を務めていたヤッカリーノ氏は、30年にわたるメディア業界での経験を生かして再建に取り組んでいる。NBCユニバーサル出身の2人やケーブルチャンネルのTNT、TBS、TruTVの元ゼネラルマネジャーなどテレビ業界経験者を幹部に採用し、広告主が気に入るような新しいコンテンツを獲得しようとしている。