気づけばスマホを開き、意味もなくゲームやSNSを眺めている――そんな時間が一日のあちこちに入り込んでいないだろうか。疲れているはずなのに、なぜかさらに消耗していく感覚。日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の続編『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本記事では、ライターの有山千春氏に、一流の人ほど手放している「精神力のムダ遣い」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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「無気力」の入り口
20代でモデルとしてブレイクし、40代のいまは「年相応のナチュラルな美しさ」を標榜する女優さんに取材をしたときのこと。
徹底して私生活がミステリアスな女優――といった仰々しさはなく、SNSではつい生活感が漏れてしまう等身大の魅力もあった。
ジャンクフードは一切食べないだとか、カロリー計算をしているだとか、毎朝玄米を土鍋に浸してから仕事に行くだとか、そんなストイックさもなく、週2日、数時間は必ずジムでボディメイクをするが、「朝から映画に行く日は、バターたっぷりのポップコーンをLサイズ食べきってしまう。そういうときは、さすがに昼食は抜きますけどね」と、ほどよく抜けた生活をのぞかせてくれる。だから、彼女の話につい聞いてしまった。
「あの……スマホのゲームとかもしますか?」
起き抜け、お湯を沸かしているとき、通勤時、相手からのメール返信を待っているとき、ひとりでの食事中、TVのCM中、就寝前のベッドの中……わたしたちがいつだって無意識に立ち上げて無心でやってしまう、スマホのゲームアプリ。
遊園地のアトラクションの行列で、母親が駄々をこねる子どもの相手をしていた横で父親が「にゃんこ大戦争」をやっていたのを見たときにはさすがにどうかと思ったが、さまざまなシーンで考える間もなく始めてしまう。筆者は、「ストレス発散の効果がある」などとひとり脳内で言い訳しつつやっている――。
女優さんは「へ!?」と素っ頓狂な声を出し、ゆっくり瞬きをすると、我に返ったように、
「スマホゲーム……は、……しないですねえ……」
と絞り出した。女優さんの人生において、スマホゲームはまったくの無縁であることは疑問符だらけの表情が物語ってる。
とたんに恥ずかしくなってしまった。いくら生活感を隠さないからといって、第一線で活躍し続ける芸能人がやるものではないのだ。
ではなぜ、一流芸能人はやらないのだろうか。それはきっと、彼女の生活の中でシンプルに「ムダ」なものであるとはっきりとわかっているからだろう。
最高の一日が一生続く106の習慣」が綴られたベストセラー『人生は「気分」が10割』でスマホゲームに言及した一節がある。
「気力のムダ遣い」をすぐにやめる
――『人生は「気分」が10割』より
その原因のひとつが、スマホなのだ。スマホこそ、時間と精神力を奪う元凶なのだという。
――『人生は「気分」が10割』より
時間や気力が奪われていく実感がわかりにくいのもおそろしいが、実感なく「肉体的な活動に限らず精神的な活動でも多くのエネルギーを消耗している」という。
一流の女優は、精神力をムダに消耗しないことで誰しもが持ち得ない秀でた美貌と表現力を保ち続けてるための努力をしているのだろう。筆者が「制限時間内に棒を外に出すゲーム」に全神経を使っている間に……。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。



