パレスチナ自治区ガザで起きている凄惨(せいさん)な戦争は、米国の地政学上の主なライバルである中国とロシアに、世界中で支持を取りつける貴重な機会を与えている。抑圧的な独裁国家である両国がパレスチナ住民への同情の高まりを利用し、自分たちを人道的価値観や平和の擁護者として位置づけることを可能にしているからだ。何十年にもわたり、ロシアも中国もイスラエルと緊密な関係を維持してきた。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は昨年の選挙の際、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と並ぶ姿を看板に用いていたほどだ。だが両国は戦争の引き金となった10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル南部襲撃について、ハマスを非難する言葉を明らかに控えている。
ガザ危機「高みの見物」の中ロ、逆転チャンス狙う
イスラエル批判に乗じ、グローバルサウスを味方につける思惑
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