ドイツは長年にわたり移民に寛容な政策をとってきたが、亡命申請の急増に悩まされ、方針転換に動いている。ドイツ政府はケニア、ガーナ、セネガル、モロッコなどに対し、亡命申請の結果が出るまでの間、一部の申請者の受け入れを求める方向で検討中だ。ただ、認定手続きには数年かかる場合もある。事情に詳しい複数のドイツ当局者が明らかにした。ドイツ政府の提案内容はまだ協議されている段階だ。難民に認定されなかった申請者をアフリカに恒久的に再定住させる策や、ドイツで庇護(ひご)を受ける何らかの権利を持つ人の第三国定住を奨励する策が盛り込まれる可能性がある。ドイツの方針転換は、米国、英国、イタリアといった先進国で広がる移民規制強化の動きに沿っている。亡命希望者をはじめとする移民の急増を抑えることが目的だ。