「あなたが出世できるかどうかを試そう」
そう語るのは、これまで4000社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『とにかく仕組み化』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに、仕組み化のメリットを説いた。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/種岡 健)
あなたが出世できるかどうかを3つの質問によって試しましょう。
質問1
「自社の商品やサービス」をバカにしていないか?
あなたは会社のグチを言うことはありますか。
多少の不満を口にすることはあるかもしれません。
ただ、それに限らず、自社の商品やサービスのことを悪く言う人がいます。
「ウチの商品は、まったくダメだ」
「よそのサービスは、あんなに優れているのに」
などと、自社の悪口を他社や得意先に言いふらすような人です。
まさか、そのような態度をとっていないでしょうか。
上に反発しながらも給料を受け取るような人に、絶対にならないでください。
そういう人は、時間や労力を傾けられる仕事や会社に、さっさと移ったほうがいいでしょう。
質問2
自分の組織の「企業理念」を言えるか?
あなたは、自分の会社の「企業理念」を言えますか。
100%正確に言えなくてもいいですが、自分の会社が「何を実現させようとしているのか」という認識は持っておきましょう。
まずできることは、いまの会社の企業理念を調べることです。
ただし、注意すべきことは、その企業理念の深い理解まではできない、ということです。
よく、経営者の理念を腹落ちさせる勉強会をおこなう企業がありますが、すべての行動を「企業理念」をもとに意思決定することはできません。
それは、経営者がやるべきことです。
ただ、組織の中で上に行けば行くほど、「企業理念」の深い意味が理解できるようになります。
自分の責任に応じて、見えてくるものがあります。
それを目指して、まずはぜひ頭の中に企業理念が入った状態で働くようにしてみてください。
質問3
「経営者の指示」を現場に伝えているか?
これは、中間管理職以上の人に向けての質問です。
現場の社員からは、「経営者は理想でモノを言っている」などと、反発が出ることがあります。
そのときに、中間管理職の人の動きが重要になってきます。
役職が上がり、経営層の指示にもとづき、自分の責任において、現場と向き合うことが求められます。
その判断のもと、部下に堂々と、「◯◯をしてください」と伝えられるようになりましょう。
あるいは、現場の情報を経営層の人たちが理解していない場合は、その事実を上にあげるようにします。
その2方向の役割をするのが、マネジャーです。
質問は以上です。
企業理念は、経営者にとっての「判断軸」です。
「企業理念に近づくことをやり、遠ざかることはしない」という一貫性を生み出します。
この軸がない会社は、「利益さえ出れば何をやってもいい。売れればいい。儲かればいい」となってしまいます。
ぜひあなたが、企業理念があり、それに共感できる会社で働くことを望みます。
(本稿は、『とにかく仕組み化』より一部を抜粋・編集したものです)