今思うに、あの頃、病まずに成長できた理由は6つある。

①若くて体力があったこと

当然個人差はあるが、若いときは多くの人に体力がある。
なので、精神的にきつくなく、仕事が面白かったり、働くのが好きだったら、体力の限界に挑戦できる。
健康体に産んでくれた親には感謝しかない。

②自分に向いている職業だったこと

私にとってコンサルタントという職業は、向いている職業だったことは間違いない。
それは、最もストレスを強く感じる行為の一つが「成果を重視しない仕事」だからだ。

ところが、コンサルティング会社の上司は「成果に対して真摯な」人が殆どだった。
少なくとも、「仕事はこなせばなんでもいい」「仕事の意義を考えるな」という発想は一切なかった。

これは人それぞれである。今あなたが毎日大事な時間を捧げている仕事があなたに合っているだろうか。

③パワハラ上司・顧客が少なかった

パワハラまがいのことをするコンサルタントの話が面白おかしく語られるケースも多いが、実際にはコミュニケーション能力が極めて高く、失礼な人が少ない職場だった。

これは大変仕事がやりやすく、論理さえ詰めておけば「話せば何とかなる。」と心理的安全性が極めて高い状態である。

上司は基本的に選べないので、これも運がよかったと言える。

④長期休みをガッツリ取れること

コンサルタントの仕事は、プロジェクト制なので、忙しいときと暇な時が交互にやってくる。
だから、月200時間の残業が続いたとしても、年末やゴールデンウィークなどは何とか都合をつけて、長いときには2週間近くの連続した休暇を取ることもできた。

そしてこれが大きな「活力の源」となったのは間違いない。
「あとちょっとで、長い休暇だ!」と思えば、200時間程度の残業など大してつらくないと思っていた。
ダラダラといつまで続くかわからない、「残業の日々」のほうが、よほどつらいと思う。

⑤給料がいい

給料は一般的な日本企業に比べて破格だったと思う。
また、飲みにもいかず、車も家も買わないという生活をしていたので、基本的には上述した休暇の時以外にはほとんどお金を使わなかった。
「お金を貯める」という行為そのものに、モチベーションを見出していたと思う。

預金の残高が増えていくのは、誰にとってもいい気分である。

そして、その時に貯めたお金は、起業時に大変役に立った。

たとえ体力があったとしても、上司がパワハラをしてきて、給料がすくなく、まとまった休みもとれない職場で、多くの残業をせざるを得ない状況だと、病む人も多いだろう。

ただし、以上の条件条件を満たしていたとしても、これを満たしていたなかったら、病んでいた、と思う条件がある。

その条件とは……