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「頭ではわかったが実践できない」――そのような状況を改善し、実践力を高めるためにはロールプレイングが役に立つ。しかし、実施の仕方を間違えると、実践力向上に役立たないどころか、頭の体操にしかならず、本末転倒だ。ロープレがうまくいかない背景には「五つのわな」がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

実践力を高めるロールプレイング
効果を激減させてしまう「五つのわな」とは?

 研修を実施しても、「理屈はわかったが、実践できない」「頭では理解したが、行動に移せない」という状況から脱却できないという悩みをよく聞く。実践できていないので、「しっかりやれ」「なぜやらない」と畳みかければ、実践性が高まるどころか、逆に抵抗感を与えてしまう。

 この悩みを解決するためには、講義や解説の代わりに、参加者同士で双方向の演習を実施することが役に立つ。演習を通じて、頭ではなく、動作や話法での発揮訓練ができ、実践力が高まる。ロールプレイングは、そのために有効な一つの手法だ。

 例えば、2人1組で、リーダー役とメンバー役、営業担当者役と顧客役というようなロール(役割)を担い、プレイングする(演ずる)。

 しかし、このロールプレイング、実施の仕方を間違えてしまうと、実践力が高まるどころか、回避したいはずの頭の訓練にしかならないことがある。陥ってはならないロールプレイングのわなが五つある。その回避方法を紹介しよう。