人手不足のイメージ写真Photo:PIXTA

人手不足の問題が後を絶たない。業務の進捗を滞らせ、社員満足度を低下させ、退社率を高めてしまう。人員不足の不満解消のためには、人員を補充するしかないと思われがちだが、実は、すぐに効果を生むことができる方法がある。人員を補充しなくても、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方の妙で問題は解決できるからだ。そのために重要な三つのスキルとは?(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

人手不足の問題は
人員補充でしか解決できないのか

「人手不足の状況が続いているが、すぐ人員を補充できない」「業務負荷が限界に達しているが、対処のしようがない」「メンバーのモチベーションが低下し、離職のリスクが高まっている」…。多くの企業で、人員不足が深刻な問題を発生させている。

 社員満足度調査を実施するたびに、「人員、リソースの配分は適切か」「業務において過度な負担を強いられていないか」という設問のスコアが悪化し、改善の糸口さえつかめないという相談を受けることが多い。

 このように申し上げると、人事部門からは「人員不足の問題は一朝一夕には解決しないので、短期間で解決できなくても仕方がない」という声が聞こえ、個々のメンバーからは「会社が解決すべき問題で、一人の力で解決できることではない」という諦念さえ生じている。

 人手不足による業務負荷の増大、ひいては社員満足度の低下の問題を、人員補充以外の方法で解決する方法はないだろうか。

 実は、同じレベルの人員不足の状況で、人員補充ができない事態に直面していても、メンバーの不満を解消できているリーダーもいれば、解消できずにいるリーダーもいる。どちらのリーダーになるかは、リーダーがメンバーに対して、次の三つのスキルを発揮できるか否かにかかっている。