コロナの感染拡大による在宅勤務や生活スタイルの変化により、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISA口座を開設する動きが急増した。そして、2024年からは新NISAがスタートする。本連載では、新NISAをきっかけに投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説していく。新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容を基に、一部を抜粋して公開する。「新NISAってなに?」というビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすく説明するので、ぜひ最後までお付き合いください。

新NISAは、そもそもどうやって出来上がったのか?Photo: Adobe Stock

まず2014年に
「一般NISA」が始まった

 新NISAのルーツともいえる「一般NISA」という制度がスタートしたのが2014年1月のことでした。当時、資産形成や資産運用に関心の高い人たちの間では、「一般NISA」はそれなりに話題となりました。

 年間の非課税枠は100万円(2016年より120万円)で、非課税期間は5年間。投資可能期間は2014年から2023年までの10年間で、これによって最大600万円(当初500万円)の投資元本から発生した投資収益が非課税になるというものでした。

2018年からは
「つみたてNISA」が始まる

 そして、一般NISAがスタートして4年後、2018年1月から「つみたてNISA」がスタートしました。つみたてNISAは年間40万円を上限として毎月、投資信託を積み立て、それによって生じた分配金、値上がり益を非課税にする制度です。

 当初、投資可能期間を2037年まで、としていましたが、その後、投資可能期間を2042年まで延長することが報じられました。

 また、つみたてNISAの非課税期間は最長20年とされており、一般NISAに比べて長期の非課税効果が期待できるというものでした(図)。

新NISAは、そもそもどうやって出来上がったのか?

 ちなみに、つみたてNISAでは一般NISAのように、株式の個別銘柄やJーREITへの投資は認められていません。

 つみたてNISAの口座を用いて購入できるのは、あくまでも投資信託のみであり、それも一定のスクリーニング基準を満たしたインデックス投信、アクティブ投信、ETF(上場投資信託)のみです。

「つみたてNISA」で買えるのは、246本

「つみたてNISA」で買えるファンド数は、インデックス投信が207本、アクティブ投信が31本、ETFが8本の計246本です(2023年7月末時点)。

 しかし、2023年12月末で両NISAは取扱が中止(口座開設期間の終了)になります。そして、2024年1月からは、両NISAが一本化され、装いも新たに「新NISA」がスタートします。

中野 晴啓(なかの・はるひろ)
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『新NISAはこの9本から選びなさい』『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。