コロナの感染拡大による在宅勤務や生活スタイルの変化により、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISA口座を開設する動きが急増した。そして、2024年からは新NISAがスタートする。本連載では、新NISAをきっかけに投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説していく。新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容を基に、一部を抜粋して公開する。「新NISAってなに?」というビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすく説明するので、ぜひ最後までお付き合いください。

「新NISA」で、お金に困らない人生を手に入れようPhoto: Adobe Stock

20~40代の人たちの間で
資産形成・資産運用に関する関心が高まった

 新型コロナウイルスの感染拡大とリモートワークの定着など、2020年以降、多くの人にとって仕事や生活スタイルの見直しを余儀なくされる事態が立て続けに起こりました。

 その中で注目されたのが、資産形成・資産運用に対する関心が高まったことです。2023年3月末時点でのつみたてNISA口座数は図の通りです。NISA口座数のうち、つみたてNISA口座数が占める割合は、若年層ほど大きい傾向にあります。

「新NISA」で、お金に困らない人生を手に入れよう

 

 このように、20代、30代、40代の人たちの間でつみたてNISAが非常に関心を持たれていることが分かります。この勢いは、これからさらに加速していくでしょう。

 2022年12月に発表された「令和5年度自民党税制改正大綱」において、NISAの大幅な改定が盛り込まれたからです。

 詳細は後ほど説明しますが、この改正案は、これから資産形成を始めようと考えている人たちにとっては、非常に有利な内容になっています。なにしろ、これまで私たち資産運用関係者が待ち望んだ、口座開設期間の恒久化非課税保有期間の無期限化が実現しただけでなく、つみたてNISAで最大800万円だった非課税枠が大幅に拡大され、1800万円まで認められるようになったからです。

 これを本連載では「新NISA」と称して説明していきます。

 もちろん、まだ「NISAってなに?」「聞いたことはあるけど、よく分からない」という方も大勢いらっしゃると思います。

 本連載は、そういう方たちに「新NISA」の良さ、さらにその中でも長期の資産形成に最適な「つみたて投資枠」で投資信託(投信/ファンド)を購入する際の選び方、具体的な投資法などについて伝授していきます。

 2024年からスタートする「新NISA」は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つに分かれています。まずは、「つみたて投資枠」がどういうしくみなのかを、簡単にご説明します。

「つみたて投資枠」は、投資信託の
積立投資を前提にした非課税制度のこと

 新NISAは、大きく「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という2つの枠に分かれていますが、「つみたて投資枠」というのは、投資信託の積立投資を前提にした非課税制度のことです。

 簡単にいえば、専用の口座で、金融庁が定めた一定のスクリーニング基準に基づいて選定した投資信託を積み立てた時に、値上がりして得られた利益には税金がかかりませんよ、というものです。

 現在、投資信託や株は、利益に対して基本的に20・315%の税金が引かれています。10万円儲かったら2万315円、100万円だったら20万3150円ですが、「つみたて投資枠」ならその税金を支払わなくてもいいのです。

 ただし、1年に利用できる額は最高で120万円までと決まっています。つまり、この金額いっぱいまで積み立てようとすると、月10万円×12か月になります。

 そして、「つみたて投資枠」に認められた生涯投資枠をすべて使い切って積み立てた場合、最終的には1800万円まで積み立てることができます

中野 晴啓(なかの・はるひろ)
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『新NISAはこの9本から選びなさい』『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。