一方、国内に目を転じれば“神風”が吹いている。アベノミクスによる株高・円安相場で顧客預かり資産残高は、昨年9月末と比べると、今年1月末では約11兆円増えた。日本郵政グループが15年秋に計画している株式上場のアドバイザーに起用されるなど、一連の“主幹事はずし”からも、脱却の兆しが見え始めた。

 だが、安穏とはしていられない。好調な債券ビジネスは、「出来過ぎで、いずれ調整局面が来る」(金融関係者)との見方が強い。株高・円安相場は、いつ剥げ落ちるかわからない。銀行との協業を強める銀行系証券とは投資銀行業務でつばぜり合いを演じており、「野村には、かつてほどの勢いが感じられない」(銀行系証券幹部)。野村の機関投資家向けの日本株営業の人員数は、みずほ証券を下回っており、「野村は危機感を強めている」(関係者)という。

 永井色は打ち出したが、組織をどこまで染め上げることができるのか、次の注目点はそこにある。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫)

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