同施設の最大のポイントは、従来、自然豊かな場所で楽しむことが多い「グランピング」と観光スポットに近い「ホテル」という特徴を掛け合わせた、体験型施設を標ぼうしていることだ。
客室はすべて1棟貸し切りのヴィラタイプで、全6棟、異なるコンセプトの下、さまざまな体験が楽しめる。例えば「カフェスタイル」の部屋は、韓国カフェ風のインテリアで、パティシエの指導でソウルの最新スイーツ作りにトライできる。
「アクティビティスタイル」の部屋には琵琶湖でSUPや釣りを体験できるグッズがそろい、「サウナ&ヨガスタイル」の部屋には北欧の本格的サウナ施設が完備されている。観光スポットも至近距離のため街歩きや買い物も楽しめ、ヴィラごとに設置されたテントやたき火スペースでアウトドア気分に浸ることもできる。
宿泊施設を基点に
街の周遊効果を狙う
●有限会社森野ビル 事業内容/不動産売買・仲介・管理・建築、従業員数/8人(森野ビル)、売上高/8億円(2022年度 森野ビルグループ)、所在地/滋賀県長浜市高田町6‐10、電話/0749-65-2700、URL/lifestyle-glamping.com
食事はシェフこだわりの地元食材を使ったメニューを満喫できる他、手軽に利用したい場合は素泊まりもOK。「キャンピングトレーラーを使って琵琶湖のプライベートエリアでキャンプを楽しむスペシャルプランなど、ニーズや好み、予算に合わせてさまざまな選択肢を用意しているのが特徴です」(森野氏)。
同施設を基点に、街中の観光スポットや自然を楽しめるプランを提供し、周遊効果で地域活性化につなげていきたいと意気込む森野氏。今後はインバウンドの本格化を見据え、外国人観光客の呼び込みにも力を入れていく構えだ。
「先人たちが残した歴史的遺産を守りながら、今を生きる経済人として、今後の300年、400年を見据えた持続的成長につながる価値を創出していくことが当社の使命だと考えています」と森野氏。地元の食文化、職人などとコラボしたストーリー性のある周遊プランなど、新たなしかけにつながる構想の種は尽きない。
(「しんきん経営情報」2023年12月号掲載、協力/長浜信用金庫)