都営バス「黒字路線」ベスト5、1位は納得の「鉄道空白地帯」Photo:PIXTA

東京のバス経営事情はどうなっているのだろうか? 都営バス全127系統の「損益額」をもとに、「黒字路線ランキング」を作成した。ランキングおよびトップ5の特徴を詳しく紹介しよう。(乗り物ライター 宮武和多哉、ダイヤモンド編集部)

路線バスにも迫る「2024年問題」
都バス黒字路線は高収益を保てるか?

「今、全国の路線バスが大変なことになっています」――。NHKの特設サイト「路線バス」のトップを飾る文章だ。全国の路線バスが運転手不足で、赤字路線だけでなく、大都市部の黒字路線までも減便・廃止せざるをえない事態についてまとめている。

 運転手不足に拍車をかけるのが「2024年問題」だ。24年4月から労働規制が強化され、バスの運転手の年間労働時間の上限が引き下げられる。また、退勤から次の出勤までの休息時間は今より長くなる。こうした働き方改革にきちんと対応しながらも、どのように運行を維持するか、全国のバス会社で大きな課題となっている。

 すでに各地で、バス会社の経営難が顕在化している。一例として、大阪府の四つの市町村を中心に運行している金剛バスが、運転手不足を理由に路線バス事業を廃止(12月の予定)することを明らかにした。地方の過疎地ではなく、大都市圏である大阪でもこの状況だ。

 では、東京のバス経営事情はどうなっているのだろうか? 東京都交通局は、22年度の都営バスの収支状況を発表した(速報値)。各路線の経営指標として「営業係数」(100円の収入を得るための費用)を用いることも多いが、本記事では都営バス全127系統の「損益額」をもとに、「黒字路線ランキング」を作成した。次ページではランキングおよびトップ5の特徴を詳しく紹介しよう。