懐かしすぎてタイムスリップ

「これ俺のじゃん!」自分のファミコンソフトがテレビに…ファミコン40周年の年に起きた“小さな奇跡”数十年ぶりにエクセリオンをプレイ! Photo by Ryosuke Kamba

 名前入りカセット博物館の返還活動では、記憶を喚起するために実際にゲームをプレイしてもらうのが恒例になっている。30余年ぶりにファミコンに差し込んでスイッチを入れると、電子音が鳴り響いた。

「ああ、懐かしい!」、遠藤さんが思わず叫ぶ。「おわー、この曲! いまメロディーを思い出しました」。45歳の会社員が、すっかりファミコン少年の表情に戻っている。

 エクセリオンは縦型シューティングゲーム。もともとゲームセンターで遊ぶアーケード版が親しまれていたが、1985年にジャレコからファミコン版が発売された。

「インベーダーゲームは横方向しか動けないですけど、エクセリオンは縦、横、斜めに動けるんです。難しくて、全面クリアは一度もできなかった」と遠藤さんが振り返る。

 山岳地帯、未来都市、遺跡など全8ステージ。オート連射できるがチャージが必要な「シングルビーム」と、2発同時に弾を発射できる「デュアルビーム」を駆使して攻略を目指す。

 特徴の一つが、独特の操作感だ。説明書によれば、最新鋭迎撃機「ファイターEX」の飛行感覚を再現するため、少しずつコントローラーに遅れて動く仕様になっているという。

「結構ふわふわしてるんですよ。ボタンを押す操作と(自機の動きが)なかなか合わない」と遠藤さん。関さんも「慣性が働いていて、操作が難しいんですよね。でも、これがないとエクセリオンじゃない」と相槌を打つ。