「星のカービィ」30周年フィーバー、親子でハマる任天堂のにくい仕掛けPhoto:Jonathan Leibson/gettyimages

昔は、子どもに親が「ゲームばっかりしないの」と眉をひそめる場面がそこかしこで見られた。現代は、ゲームを満喫した子どもが親になった世代。親もいろいろではあるが、親子で一緒にゲームを楽しむ家庭もある。筆者が娘と夢中になっているゲームといえば「星のカービィ」だ。(フリーライター 武藤弘樹)

30周年に高まりつつあるカービィ人気
親も子もハマるそのわけとは

 今年、任天堂の人気シリーズ『星のカービィ』(以下、『カービィ』)が30周年を迎えた。さらに新作が発売され、盛り上がりを見せている。
 
 30年前といえば筆者が10歳の頃であり、「なーんーでーもー吸い込むー」というCMのフレーズがいまだ鮮明に耳に残っている。『カービィ』はスーパーファミコンでよくやった記憶があるが、任天堂の並み居る超人気シリーズ(たとえば『マリオ』『ゼルダの伝説』『スマブラ』『ポケモン』など。スーパーファミコン時代は『ドンキーコング』も強かった)に比べると、一歩おとなしい印象だった。
 
 とはいえゲームボーイから始まって今日ニンテンドースイッチに至るまで、『カービィ』関連のタイトルはシリーズ累計で30作品を超える。任天堂の核となってきた作品であることに間違いはない。
 
 また主人公のカービィのキャラがかわいいこともあって、グッズやコラボイベントなどもふつふつと続けられてきたが、今年は特にその熱の高まりを感じさせられる。どうやら、親世代の“カービィ返り”が起きているのがその一因となっているようである。本稿では、親と子がそろって「カービィ」に熱を上げる現在のさまを取り上げて論じたい。