妄想の答え合わせ

「これ俺のじゃん!」自分のファミコンソフトがテレビに…ファミコン40周年の年に起きた“小さな奇跡”「1泊200円」と書かれた『プロ野球ファミリースタジアム』のカセット(名前入りカセット博物館所蔵) Photo by Ryosuke Kamba

 名前入りカセットの醍醐味のひとつが、そこに込められた「残留思念」を味わい尽くし、空想を膨らませることだ。

 元気のいい筆跡だから、クラスの人気者だったのかな? 「1泊200円」と書いてあるということは、友達にカセットを貸してお金を稼いでいたちゃっかり者?

 ……そんな妄想の答え合わせをするためにも、返還の際は郵送ではなく手渡しにこだわり、思い出話を聞かせてもらうことにしている。

 遠藤さんのエクセリオンには、どんな思い出があるのだろうか。

「小学2年生の時に、クリスマスプレゼントでもらったんじゃないかな。といっても、誕生日が12月20日なので、だいたい誕生日プレゼントと一緒くたにされてたクチなんですけど」

「母ちゃんに、どうしてもファミコンがほしいって駄々をこねて。友達が持ってるんだから、俺にも買ってくれよって頼んだ。それで、もらったのがファミコン本体とエクセリオンだったんですよ」

「本当にもらえるなんて思ってなかったから、めちゃくちゃサプライズだった。すっごく嬉しくて名前を書いたんだと思います」