スカイプをくれた
中国人と恋人になる

 メッセンジャーとかLINEに知らない人から連絡がくることがありますよね。別れた当時、知らない女性からスカイプで連絡が来たんですよ。上海で学校の先生をしている人でした。その人が彼女になりました。

 上海に2年ほど住んで気がついたのは、外を見てると毎日曇っていたんですよね。年に数回ほど青空を見れるかどうかという感覚です。これはものすごい公害に違いないと考えるようになりました。でも、彼女が中国人だから空が青いところへ行こうと思っても、ビザの関係で中国国内しか簡単には行けませんでした。

【何者?】世界で2番目に小さい国で首相補佐官になった日本人に学ぶ「頑張らない努力」ニウエの美しい海を航海する和田さん 提供:本人

 内陸部だったらきっと青空が見れるはずと考え、それでウイグル自治区への移住を検討します。読みは当たっていて、空気は澄んでいるし、インターネットや美味しいレストランもある。学生時代から長く住んでいたコロラド州にとても似ていました。
 
 彼女も最初のうち同意してくれて、修理すれば住めそうな農家の家屋を50万円くらいで買おうと決めました。その帰りにホテルへ戻ったら彼女がワンワン泣いていたのです。理由を尋ねると、「私は上海の女の子だから、こんなところには住めない」と言い出しました。田舎に住むことが現実味を増すと怖くなったんでしょうね。それは仕方がないと言って上海に戻りました。

 海外も探して見ようとなりました。でも、外国へ行くにしたって中国人のパスポートで簡単に出れるところなんてないし、日本人だって行ってすぐに受け入れてくれるような国も少ないだとうと。空気が綺麗そうで、人口が少ないところだったら受け入れてくれる確率が高い立とうと仮説を立てました。人口の少ない国を調べると、1位がバチカンで2位がニウエだったんです。その当時は1500人ぐらいだったかな。

 バチカンはキリスト教徒じゃないし、ローマのど真ん中なので空気がそんなに綺麗じゃなさそう。世界で2番目に人口の少ないニウエに決まりました。

 歩いてみたら空気も風景もきれい。現地の人がみんなハイ!って挨拶してくれて、すごい優しい。現地のことを教えてくれるし、ヤシガニって言って大きいカニがいて、彼女も「このカニがいるんなら私ここで生きていけるわ」って言ってくれたんです。

 住むのにどうすればいいかを聞きにいこうと、ニウエの国会議事堂に行きました。そこの入口におじさんが座ってて、「ここに住みたいって考えてるんだけど」と伝えたら、二つ返事で「いいよ。ビザ出してあげる」と言われました。ニウエからモノやカネを取らなければ問題ないとのことでした。すぐに家を借りて、2008年からニウエに住んでいます。