年収が上がらない、モチベーションが上がらない、仕事と家庭の両立がうまくいかない──そんな悩める人たちに「読むだけで元気になる」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。
“元芸人社長”であるFIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。
まさに人生を大逆転させた元芸人社長だが、その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。
本連載では初の著書『スタートアップ芸人』の一部を抜粋・編集しながら、「仲間力(=仲間をつくる力)」アップによる人生大逆転の法則を見ていきたい。

面接Photo: Adobe Stock

新卒採用500名に成長

 僕が社長を務めるFIDIA(フィディア)には内勤、外勤と呼ばれる働き方がある。

 内勤とは、フィディアグループで採用された正社員で、11事業に配属される。

 一方、外勤とは、人材事業「Evand株式会社(以下エヴァンド)」の正社員として社外の取引先で勤務する社員のことだ。

 新卒採用は2016年から始まった。

 2023年4月には500名の新卒が入社するまでに成長した。

 ここでは、そんな多数の採用を支えるイベントサークルを通じた採用ノウハウをお伝えしたい。

会社説明会に
50人連れてきた謎の人物

 2019年の会社説明会に友達50人を連れてきた強者がいた。その名を中村洸登(以下ヒロト)という。びっくりして聞いた。

「なぜそんなに人を呼べるの?」

「僕は200人くらいのイベントサークルのリーダーをやっています。面白い会社があるから一緒に行こうと誘ったんです」

 200人規模のリーダーといっても、信頼がなければ50人も集めることはできない。

「就職先はもう決まっているの?」

 すでに3社の内定が決まっていて、僕らで4社目だった。

「御社を本命に考えていますが、他社からも具体的な役割や条件を提示してもらっています」

 と言う。

シンプルかつ
最強の採用戦略とは?

 僕はどうしても入ってほしいと思い、役員3人と一緒においしい焼肉屋に行った。

 ヒロトには上座に座ってもらった。

 若い人には上座の概念はないかもしれない。

 ただ、これは! という人を口説くとき、僕たちは年齢や役職関係なく敬意として上座に座ってもらう。

 そして、会社のビジョンやミッションを話し、「どうしても入ってほしい」と伝えた。

 すると、

僕のために3人の役員さんを呼んでくれて感激しました。腹を決めます

 と言うではないか。

 最強の採用戦略は、社長と内定者、または社長・役員と内定者でおいしいお店に行って上座に座ってもらい、率直に「どうしてもあなたに入ってほしい」と伝えることだ。

 これはシンプルかつ効果検証済のノウハウだ。

同期全員の
会社への信頼度が上がる方法

 ヒロトの代は新卒を140人採用した。

 ヒロトは内勤社員として人材事業に配属され、同期の外勤の出向先をマネジメントした。

 ヒロトは同期のリーダー的存在となり、会社と同期の間に立って密なコミュニケーションを促進してくれた。

 信頼度の高い人をおもいきって抜擢すると、同期全員の会社への信頼度が上がるのだと、僕に気づかせてくれた。

 ヒロトは今、人材事業で新卒エージェントの担当責任者として「最高のワクワクと最高の仲間をつくり続ける」と標榜してくれている。

(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)